完全自動運転(レベル5)の基本的な機能が2020年中に完成するかも知れない | そう備忘録

完全自動運転(レベル5)の基本的な機能が2020年中に完成するかも知れない

自動運転

テスラのイーロン・マスクCEOが完全自動運転の実現は非常に近い(Very Close)と語ったとの記事を読んだ。

ブルームバーグの記事では「レベル5の自律性のための基本的な機能が今年(2020年)中に完成すると確信しています」との事。

ブルームバーグより

“I remain confident that we will have the basic functionality for level five autonomy complete this year,” Musk said.

レベル5とは「人の運転者が運転できる全ての条件下において全ての運転タスクを自動で行うことができる」レベルの事。

自動運転のレベル(0~5)の中では最高レベルに位置づけられている。

これが本当に実現して全ての車に搭載されれば飲酒、居眠り、ブレーキの踏み間違い、あおり運転は無くなり交通事故による怪我や死亡者数がかなり減るのではないかと思う。

もちろん機械は万能では無いので機器の故障の可能性があったり豪雨や豪雪などの特殊な条件下での誤作動など完璧とは言えないだろうが通常時に人間が運転するよりかは遥かに安全な運転環境が実現できるのであればありがたい事だと思う。

実は自動運転に関してはディープラーニングのG検定の出題範囲だったので少しだけ勉強した。

しかし公式テキストには自動運転に関する記載は1ページしか載っていなかった事もあり「それほど出題されないだろう」と思い込み、自動運転のレベル0ー5の定義を軽く暗記した程度だった。

しかし実際のG検定試験では246問中3~4問出題(2019#2)されて事例も出題されたのでちょっと焦った記憶がある。

この機会に改めて自動運転について復習をしてみたので備忘録として記事にしておく。

自動運転レベル

まず自動運転レベルはSAE(Society of Automotive Engineers)というモビリティ専門家を会員とする米国の非営利団体が定義している。

レベルは0~5の6段階あり、SAEの発行したJ3016(原文はこちら)という文章に記されている。

レベル0(自動運転なし)

人間の運転者がすべて行う。

SAEの資料では機能例としてAutomatic emergency braking(自動緊急ブレーキ)はレベル0の範囲に入っていた。

自動緊急ブレーキは自動運転の一部だと思っていたけどSAEの定義上は自動運転の範疇ではない模様。

なかなか厳しい定義だ。

レベル1(運転支援)

人間の運転者のサポートして、いくつかの運転タスクを実施する事ができる。

機能例

  • レーンセンタリング または
  • クルーズコントロール

上記の機能は”または”なのでどちらか一方の機能が実現されていれば良い模様。

ある程度グレードの高い車種であれば現時点でも搭載されている自動車があるのでこの辺までは馴染みがある。

また高速道路でのクルーズコントロールは(比較的空いている時であれば)かなりの運転負荷軽減が感じられ、”便利な機能”との印象だ。

レベル2(部分的運転自動化)

自動運転でいくつかの運転タスクを事実上実施する事ができる一方、人間の運転者は運転を監視して残りの部分の運転を実施し続けなければならない。

機能例

  • レーンセンタリング かつ
  • クルーズコントロール

上記2つがand条件なのがレベル1との違い。

ここまでは”人間が運転して自動運転システムがサポート”というレベルで、以降は運転のメインは自動運転システムになる。

ちなみにテスラに搭載されている自動運転レベルはこのレベル2(2020年7月12日現在)。

人間が運転を監視しなければならないのだが、自動運転システムが優秀すぎると人が安心してしまい放置状態になってしまう事は容易に想像がつく。

実際にテスラ車もたとえ自動運転モードであってもずっと人が監視していれば防げたかも知れない事故を何件か起こしている。

このレベル2はもしかしたら中途半端で意外とリスクがある位置づけなのかも知れない。

レベル3(条件付き運転自動化)

自動運転でいくつかの運転タスクを事実上実施する事ができる一方、人間の運転者は自動化システムが要請した場合に制御を取り戻す準備をしておかなければならない。

機能例

  • 渋滞中の自動運転

2020年の4月1日の道路交通法の改正で日本の公道でレベル3の自動運転が解禁になった。

この改正内容によると運転中のスマートフォンの使用は可能だが、レベル3なので”制御を取り戻す準備をしておかなければならない”となっている。

また万が一事故になった時の責任は運転者にある。

スマートフォンの操作に夢中になって制御を取り戻すのが間に合わなかった事による事故は起きて欲しく無いと思う。

自動運転2~3のレベルは人が安心して自動運転システムに任せっきりになってしまい事故回避が遅れる危険性をはらんでいる反面、責任は運転者が負うというある意味中途半端なレベルの自動運転の様に感じる。

人が運転するよりかは”安全運転”で事故が少ないのかも知れないがレベル4以上の自動運転システムが実現されて欲しいと思う。

2020年11月14日 追記

ホンダ自動車が2020年度内にレベル3対応のレジェンドを発売するとの発表があった。

カメラがフロントガラス上部に2ヶ所、レーダーを前方に2ヶ所で後方に1ヶ所、LiDAR(Light Detection and Ranging)前方1ヶ所、後方に2ヶ所搭載したイラストが載っていた。

自分には高級過ぎて購入は出来ないがすごく楽しみにしている。

しかし万が一事故が起きて自動運転に対して逆風が吹いて自動運転自体の普及が遅れる様な事になってしまうと、人間による運転が継続して居眠りや飲酒運転やスピード違反による事故が減らないので結果的には多くの人々にとって不幸に事になってしまうと思う。

万が一自動運転のレジェンドで事故が発生してしまったとしても人間が運転するレジェンドではもっと事故が起きていると思うのであんまりセンセーショナルに取り上げないで欲しいなぁと感じた。

レベル4(高度運転自動化)

自動運転で運転タスクを実施する。人間は制御を取り戻す必要はないが自動化システムはある環境・条件下のみで運行できる。

機能例

  • 走行地域限定の無人タクシー
  • ベダルやハンドルは取り付けてない場合もある

電車だと新橋から豊洲を走っている新交通ゆりかもめのイメージだろうか。

路線バス

自分の住んでいる地方では高齢者の買い物の足の為にオンデマンドバスが走っている。

元々は路線バスが走っていたのだが利用者の減少の為、路線図とダイアの統廃合をした事による空白地域を埋めるための施策だ。

バス(路線・オンデマンド)の様に決まった路線のみを走行する車両であればタクシーや個人の自家用車と比較すると自動運転化しやすいのかも知れない。

実際中国では昨年夏(2019年7月)に自動運転のバスが200万キロ(地球50周分)走行したとの記事が載っていた。

同時にT4ライセンス(SAEのレベル4相当)を百度(バイドゥ)に付与しているので実際の路上での自動運転では中国は世界でもかなり先を行っている。

路上とシミュレーション

実際の路上で様々な条件下でデータを収集する事はAI(Deep Learning)の精度を高めるのに有効なので今後中国の自動運転の技術は益々精度が上がると想像できる。

事故などのリスクが懸念される状態で路上での実施を繰り返す事は日本では中々実現できないので実証という面では遅れをとりがちだと思う。

しかしシミュレーション環境での自動運転では日本が一歩リードしているとの記事を昨年末(2019年12月)に読んだ。

シュミレーションであれば複雑で厳しい環境も容易に再現できるのと膨大なパターンのテストケースを短時間で繰り返し試すことが出来る。

「大雨の中、子供が走って飛び出す」などの状況も容易に再現できる一方、「シミュレーション環境が現実の世界とどれ位違うのか?」が重要になってくる。

以前に東大の松尾豊教授が「シュミレーション環境を微分できる(differential physics)」との発言をされていた。

自分なりの解釈では「微分する事によってディープラーニングのバックプロパゲーション(誤差逆伝播法)の様にシミュレーションと現実世界との差異を最小値に近づける事ができる」なのだが合っているのだろうか。

非常に興味深い発言だった。

つまり現実世界とほぼ同じシミュレーション環境を構築できれば、その環境で自動運転システムを学習させて、より精度の高い自動運転システムが構築できることになる。

シミュレーション環境での自動運転システムの精度向上に期待したい。

レベル5(完全自動運転)

人間の運転者が出来る全ての条件下において全ての運転タスクを実施することが出来る。

最初に言っていたテスラのイーロン・マスクCEOが言っていた完全自動運転はこのレベルの事。

イーロン・マスク氏は最初に大風呂敷を広げて自分と周辺当局を追い込む傾向があるので規制当局の承認への牽制の面もあるのか知れないが、もし実現したら面白い事になりそう。

仮に実現したとしても無事故、無トラブルという訳にはいかないと予測されるのでそれらの困難をどの様に乗り越えてゆくのは大変興味深い。

道路標識にQRコード

次に日本の例。

国土交通省のページに自動運転に対応した道路空間に関する検討会の検討項目が載っている。

その中に道路標識にQRコードを付ける案が検討項目として載っていた。

国土交通省の資料より

道路標識にQRコード

先日NHKの番組で見たのだが、QRコードは日本のデンソーの技術者が囲碁をヒントに開発した技術でオープンソースとした事で広く普及したとあった。

その番組の中で電車の扉の位置を表す為に、

  • 読み取り速度が早い
  • 汚れや雨などに強い

などの改良をしたQRコードが紹介されていた。

そもそもQRコードを拡張、改良できる事を知らなかったのだが誤り補正精度が高いまま用途に合わせた改良が出来るQRコードは道路標識には非常に適しているように感じた。

QRコードはすでに世界に広がっているが道路標識とQRコードの組み合わせも世界標準になるのであればちょっと誇らしい。

また日本の法律や制度は意外と言っては失礼だがAI(機械学習)に優しい。

日本政府としてもこれからの高齢化社会をAIを活用して乗り切ろうとしている意図を感じる。

プレイヤーが変わる

電気自動車、自動運転が主流になると自動車メーカーのプレーヤーが変わると言われている。

実際にテスラは昔からある内燃エンジンの自動車メーカーでは無いしAmazonやGoogleも自動運転に参入している。

Amazonは先日(2020年6月28日)、自動運転技術の開発を手がけるズークス(Zoox)の買収に合意したことを発表した。

また前述の中国の百度(バイドゥ)は元は検索エンジンの会社だ。

電気自動車、自動運転はセットで開発される事が多く内燃エンジン主流の既存の自動車メーカー達は現時点で遅れをとっている感は否めない。

内燃エンジンは過去からの膨大なノウハウの蓄積が必要で新規メーカーの技術的な参入障壁になっていたのだか電気自動車は部品点数も少なく自動運転と組み合わせるとIT系の企業でも参入が可能、むしろ有利になってきている。

先日テスラの時価総額がTOYOTAの時価総額を超えたのがニュースになっていたが、株価は将来への期待を反映しているので、期待が現実になるかどうかは別にして現時点ではテスラの方が将来性があるとの投資家達の判断なのであろう。

自分は過去に乗ってきた車はマツダのカペラ→ホンダ・アコード→ホンダ・ビート→日産・マーチ→日産・セレナ→ホンダ・フィット→スズキ・ジムニー→三菱・デリカD5と日本車ばかりなので心情的には日本の自動車メーカーに頑張って欲しいが、完全自動運転の車が出ればメーカーに関わらず(適切な価格であれば)乗り換えたいと思ってしまう。

というのも事故が怖い。

起こすのも起こされるのも嫌だ。

恐らくだが一定の年齢以上の人達は同様の感覚をもっている人が居ると思う。

また自分の親には本来は免許を返上して欲しいがどうしても乗るのならば自動運転の車にして欲しいと思ってしまう。

自動運転が特別な存在では無く、低価格で普通に全車に標準装備されている未来が自分的には待ち遠しい。

以上で今回の記事は終了とする。

最後に

この記事が何処かで誰かの役に立つことを願っている。

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souichirou

やった事を忘れない為の備忘録 同じような事をやりたい人の参考になればと思ってブログにしてます。 主にレゴ、AWS(Amazon Web Services)、WordPress、Deep Learning、RaspberryPiに関するブログを書いています。 仕事では工場に協働ロボットの導入や中小企業へのAI/IoT導入のアドバイザーをやっています。 2019年7月にJDLA(一般社団法人 日本デイープラーニング協会)Deep Learning for GENERALに合格しました。 質問は記事一番下にあるコメントかメニュー上部の問い合わせからお願いします。

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