M5Stick-CとBME680で温湿度・気圧・ガスを測定して液晶ディスプレイに表示するスケッチ
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BME680
BME680 は BOSCH 製のセンサーで温湿度、気圧、ガスの検知ができる。
BME680 を使ったモジュールは複数販売されているが、今回スイッチサイエンスでこちらのモジュールを購入してM5Stick-C と接続した。
この Seeed Studio Bazaar の製品はGROVE ケーブルが付属しているので I2C でM5Stick-C と簡単に接続することができる。
尚、同じ BME680 を搭載したモジュールはアマゾンなどでも購入することができる。
スペック
今回購入した製品の主なスペックは以下の通り。
- 動作電圧:3.3V ~ 5.0V
- 温度 : -40 〜 +85℃(0.01℃ 単位)
- 温度精度: ±0.5℃(25℃)、±1℃(0 ~ 65℃)
- 湿度:0 ~ 100 %(0.008 % 単位)※1
- 湿度精度 : ±3 %(20 ~ 80 %、25℃)
- 気圧:300 〜 1100 hPa(18 hPa 単位)
- 気圧精度 : ±0.6 hPa(300 ~ 1100 hPa、0 ~ 65℃)
- インターフェイス : I2C(最大3.4 MHz)/ SPI(3線および4線、最大10 MHz)※2
- I2Cアドレス : 0x76(デフォルト)/ 0x77(オプション)※2
※1 Seeed Studio Bazaar の動画だと湿度の範囲は10 ~ 90% と言っている。但しホームページでは 0 ~ 100%と表記されていた。BOSCH のデータシートを見ると0 ~ 100% となっていたので、こちらが正しいのだと思われる。
※2 デフォルトの I2C アドレスは 0x76 だが裏面の赤枠の向かって左側と中央の端子をショートさせると 0x77 に変更できる(デフォルトは中央と右側のショートで 0x76)
また同様にその下の端子をショートすれば I2C(デフォルト)、開放なら SPI 接続となる。
尚、VOC(揮発性有機化合物)の測定も可能だ。
0(きれい空気)~ 500(汚れた空気)の範囲で測定してIAQセンサー(室内空気質センサー)として使用可能とホームページには載っていた。
またサンプルプログラムでは単位が ppm や mg/㎥ では無く、Kohms となっていたがこの単位の意味はちょっと分からなかった。
ざっくりと部屋の空気が汚れいている(いない)等を把握する分には良いのだと思う。
下記に BOSCH のデータシートに載っていたIAQの対応表を載せておく。
数値が大きいほど空気が汚れていると判断される。
M5Stick-C
以前に購入した M5Stick-C を使用した。
M5Stick-C は ESP32-PICO を搭載したスティック型の M5Stack社の製品だ。
詳細は以前の記事を参照して欲しい。
今、購入するのであれば M5Stick-C Plus になると思う。
配線図
M5Stick-C と BME680 との接続は以下の通り。
付属の GROVE ケーブルでそのまま挿せば接続できる。
※ コメントで指摘があったがBME680モジュールに5Vを供給するとSDA、SCL信号では3.84vが計測された。
「直ぐに壊れるか?」というと微妙な電圧だが、ご指摘の通り長期間使用するのであれば良くない接続だと思う。
このモジュールは3.3Vでも動作するので(GROVE端子での接続ではなくなってしまうが)M5StickCの 3.3V から電源供給をするのが良いと思う。
ライブラリーのインストール
事前に BME680 のライブラリーを Arduino IDE にインストールする。
BME680 のライブラリーは幾つか見つかったが、今回使用したモジュールが Seeed Studio Bazaar のモジュールだったので Seeed Studio の Githubよりダウンロードした。
こちらのページにアクセスして Code ー> Download ZIP で Seeed_BME680-master.zip をダウンロードする。
Arduino IDE を起動してスケッチ、ライブラリをインクルード、zip形式のライブラリをインストールで先程ダウンロードしたファイルを選択して BME680 のライブラリーをインストールする。
スケッチ
Github に載っていたサンプルプログラムをベースに簡単なスケッチを書いてみた。
ソースコード
/*
* M5Stick-CでBME680のテスト
* 測定結果をディスプレイに表示する
*
* @author: Souichirou Kikuchi
*/
#include <M5StickC.h>
#include "seeed_bme680.h"
#define IIC_ADDR uint8_t(0x76)
Seeed_BME680 bme680(IIC_ADDR); // IIC PROTOCOL
void setupM5StickC() {
M5.begin();
delay(10 * 1000); // 10秒待機
setCpuFrequencyMhz(80); // CPU周波数80以上にしないと無線は使用できない
M5.Axp.begin(false,false,false,false,true); // 省電力の為、DCDC3をオフ
M5.Axp.ScreenBreath(10); // 画面の輝度を下げる
M5.Lcd.setRotation(1); // LCDの方向を変える
M5.Lcd.setTextSize(2); // フォントサイズを2にする
M5.Lcd.setTextColor(WHITE, BLACK); // 文字を白、背景を黒
M5.Lcd.setCursor(10, 10); // カーソル位置
}
void display(float temp, float humi, float pres, float gas) {
// 温度、湿度、気圧、バッテリーの電圧をディスプレイに表示
M5.Lcd.fillScreen(BLACK); // 一旦黒くクリア
M5.Lcd.setCursor(0, 0); // カーソル位置
M5.Lcd.printf("temp: %4.1f'C\r\n", temp);
M5.Lcd.printf("humi:%4.1f%%\r\n", humi);
M5.Lcd.printf("pres:%5.1fhPa\r\n", pres);
M5.Lcd.printf("gas: %3.2f Kohms\r\n", gas);
}
void setup() {
int cnt = 0; // 試行回数
const int MAX_RETRY = 10; // 最大試行回数
Serial.begin(115200);
while (!Serial);
M5.Lcd.println("Program start"); // プログラムスタート
delay(100);
setupM5StickC(); // M5Stick-C初期設定
Wire.begin(); // I2Cの初期化
while ((!bme680.init()) and (cnt < MAX_RETRY)) { // BME680の初期化
M5.Lcd.println("BME680 init failed"); // 初期化失敗
cnt++;
delay(10000);
}
if (cnt < MAX_RETRY) { // BME680の初期化成功
M5.Lcd.println("BME680 initialized");
}
}
void loop() {
float temp, humi, pres, gas;
if (bme680.read_sensor_data()) {
M5.Lcd.println("read error");
return;
}
temp = bme680.sensor_result_value.temperature;
humi = bme680.sensor_result_value.humidity;
pres = bme680.sensor_result_value.pressure / 100.0; // hPaに変換
gas = bme680.sensor_result_value.gas / 1000.0;
display(temp, humi, pres, gas); // M5Stick-CのLCDに表示
delay(5000);
}
コンパイル&書き込み
パソコンと M5Stick-C を USB で接続すると新たな COMポートが現れるのでツールメニューで以下の設定を行った。
- ボード:M5Stick-C
- Upload Speed:115200
- シリアルポート:COM9(環境によって異なる)
Ctrl + U でコンパイルをして実行プログラムがマイコンボードに書き込まれる。
動作確認
5秒間隔で温湿度、気圧、ガスを測定して M5Stick-C のモニターに表示されることが確認できた。
とりあえず部屋の中の空気の汚れは 50 以下なので Good! だった。
今回は M5Stick-C の LCD に測定結果を表示しただけだがネットワークを通じて AWS IoT Core に送信したい場合などは以前の記事を参照して欲しい。
以上で今回の記事は終了とする。
この記事が何処かで誰かの役に立つことを願っている。
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このGroveモジュールに5vで電源供給するとM5のSCL,SDAのラインに5Vが印加されませんか?
ESP32側には5Vトレラントは特についてなかったと思いますので,電気的にはよろしくない接続になる気がします(すぐに壊れることは無いでしょうが
そうですね。電圧を計測した所、3.84V出ていました。長期間接続しておくと良くないですね。
ご指摘ありがとうございます。記事に追記しておきます。