1年程使用したプロジェクト管理ツール(Backlog)の使い方を備忘録で残しておく
Contents
Backlogとは
クラウド型のプロジェクト・タスク管理ツールのBacklogを使った時の備忘録。
Backlogは複数のタスクやプロジェクトの進捗管理をクラウド上で行うための国産のツールだ。
様々な職種の人達が参加するようなプロジェクトで進捗管理をするには使いやすいように感じている。
もう1年以上使っているのでそれなりにノウハウは溜まってきたのでそれぞれの機能について紹介したと思う。
また、記事の最後に他のプロジェクト管理ツールを使ってみた時の感想も書いているので参考にして欲しい。
プランと料金
現在(2022年12月)の料金プラン毎の主な特徴は以下の通り。
詳しくは本家のページを参考にして欲しい。
スタータープラン |
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スタンダードプラン |
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プレミアムプラン |
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プラチナプラン |
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自分たちはスタンダードプランを使っているのだが1年ちょっと運用してプロジェクト数が30弱なので、いずれはプレミアムに上げる必要がでてくるかも知れない。
また下記のバナーから30日間の無料トライアルで「とりあえず試してみる」ことが可能だ。
尚、無料試用期間中は全ての機能が使用できる模様。
使用方法
ダッシュボード
ログインした直後のダッシュボードは以下の通り(ダークカラーにしている)
お知らせ | 上部にBacklogからお知らせやプロモーションが表示される。 |
プロジェクト | 作成したプロジェクトの一覧が表示される。 直近でアクセスしたプロジェクト順に表示されるので、更に表示させた時は折り畳まれている一覧を広げるか上部のメニューの”プロジェクト”から検索する。 |
自分の課題 | 自分が担当者として割り当てられている課題の一覧が表示される。 期限日を過ぎている課題は炎のマークが表示されて注意喚起される。
と別々にフィルタリングできる。 また期限日も、
でフィルタリングができる。 |
最近の更新 | 自分を含む課題の更新履歴が表示される。 また後述するが課題を更新した際に自分宛てにメールを送信させることが出来る。 |
スペースの設定
管理者としてスペース(全体の環境)の設定を行う。
尚、この記事中では背景が白の画面ショットは管理者としてログインしている時の操作で色を分けている。
“スペース名”を設定して必要に応じて画像を設定して「登録」」ボタンで保存する。
メニューは、
- スペース:スペース名の設定等
- 言語と時刻:言語、タイムゾーン等の設定
- 容量使用状況:ディスク容量の使用状況
- アクセス制限:IP Addressによる制限とプレミアムプラン以上であれば2段階認証による制限が設定できる
- お知らせ:お知らせを各人のダッシュボードに表示させる事ができる
- ユーザー:ユーザーの(一括)追加(後述)
- チーム:複数のユーザーをまとめてチームにすることが出来る
- プロジェクト:新規プロジェクトの追加(後述)
- 契約内容/支払履歴:契約内容の表示。見積書、請求書、領収書の表示(印刷)
- 利用プラン:利用プランの表示・変更
- 支払い方法の変更:支払い方法の変更(クレジットカード、口座振替、銀行振込)
- 連絡先情報の変更:連絡先情報の表示、変更
- 解約手続き:解約手続きの開始
がある。
上記のメニューの中で主なメニューについて説明する。
ユーザー
ユーザーの一覧の表示、登録をする。
ユーザーの権限は以下の6種類。
- 管理者
- 一般ユーザー
- レポーター
- ビューアー
- ゲストレポーター
- ゲストビューアー
ゲストは外部の会社の人や一時的に参加するユーザーを登録する時に使用する模様。
レポーターとビューアーの違いはイマイチ分かっていない。
ユーザーID、ハンドルネーム、メールアドレスなどを設定して新規に登録する。
プロジェクト
プロジェクトの一覧が表示されるので「プロジェクトの追加」ボタンを押してプロジェクトを登録する。
尚、終了したプロジェクトがいつまでも各人のダッシュボードに表示されていると誤操作の元になるのでアーカイブ(非表示になるがデータは保存される)する事もできる。
- プロジェクト名
- プロジェクトキー(任意の英文字と数字)
を入力する。
“詳細設定”をクリックすればより細かい設定が可能になる。
チェックボックスは基本的にはデフォルトの設定で使用しているが”親子課題を使用する”はチェックをしている。
このチェックボックスにチェックを入れると親子関係(2階層まで)で課題が登録できて、ガントチャートで入れ子状態で表示される。
また子の課題が全て終了してから親の課題を終了させる等の運用が可能になる。
プロジェクトページ
プロジェクトを設定したら一般ユーザーとしての操作について説明する。
ダッシュボードからプロジェクトを選択すると下記のページに遷移する。
左側に以下のメニュー
- 課題の追加
- 課題
- ボード
- ガントチャート
- Wiki
- ファイル
- プロジェクト設定
が表示されて中央に自分が登録、更新した課題が時系列で表示されている。
課題の追加
新しい課題を追加するページ。
ここで追加した課題でスケジュール管理を行う。
親課題を設定する | 前述のプロジェクトの設定にて”親子課題を使用する”にチェックを入れた時に表示される。 親課題を指定して課題に親子関係を設定すると下記の様に入れ子表示される。 ただし2階層までで、親ー>子ー>孫は設定することが出来ない。 |
課題の種類 | プルダウンから課題の種類を設定する。 デフォルトで、
が設定されているが後述のプロジェクト設定で追加、変更する事ができる。 |
件名 | 課題の件名を記入する。 |
課題の詳細 | 課題の詳細を記入する。 |
状態 |
の4種類があり、ガントチャートで状態別の絞り込みができる。 初期状態は未対応で課題が作成される。 |
担当者 | 担当者をプルダウンから選択する。 他の人に課題をお願いしたい時など自分以外の担当者(人の課題を登録する)を設定することも出来る。 項目右横の人アイコンをクリックすると自分が担当者に設定される。 |
優先度 | 優先度を
から選択する。 |
マイルストーン | マイルストーンを設定する。 プロジェクトを進める上でのチェックポイントとなるような日付を設定する。 |
カテゴリー | プルダウンからカテゴリーを指定する。 カテゴリーを設定するとガントチャート表示の際にカテゴリー別に分類して表示させる事ができるのでガントチャートが見やすくなる。 カテゴリーは後述のプロジェクト設定で追加する事ができる。 |
発生バージョン | 正直あまり使用していない。 例えばプログラムのバグを管理する際にバグが発生したバージョンなどを管理するものと思われる。 発生バージョンとマイルストーンは後述のプロジェクト設定で追加する事ができる。 |
開始日 | 課題の開始日をカレンダーから設定する。 |
期限日 | 課題の期限日をカレンダーから設定する。 期限日を過ぎた課題は炎アイコンと共にダッシュボードに表示される。 |
予定時間 | 予定時間を入力する。 全ての課題に予定時間を入力すれば作業期間の見積もりが可能になるが自分達のプロジェクトではあまり使用していない。 |
実績時間 | 実績時間(結果)を入力する。 上記の予定時間と共に実績時間を入力すれば予実管理が可能になる。 |
ファイル | 添付ファイルをファイル選択から追加する事ができる。 |
ユーザー | 課題の追加をお知らせしたいユーザーを指定する。 ユーザーの設定(後述)によっては他の人が課題を追加や更新した際に自動的にメールが送信されるが、他人が課題を追加や更新した際に自分にメールが来ないように設定する事も可能だ。 その際にユーザー指定で課題の追加や更新をお知らせしたいユーザーを指定する。 |
課題にコメントする
課題にコメントを追加していく事ができる。
状態や担当者、期日などが変わった時にコメントを追加しながら課題の進捗状況を管理してゆく。
他人の課題に対してもコメントを入れることが出来るので進捗の催促や共有したい情報などをコメントできる。
流れ的には課題を登録→コメント→コメント→・・・→コメントで課題を終了、が一般的だ。
コメント | 課題にコメントを追記する。 |
コメントをお知らせしたいユーザー | コメントをお知らせしたいユーザーを指定する。 明示的にユーザーを指定したい時に使用する。 |
更新可能な項目 | コメントの追記時に下記の項目を更新することが出来る。
|
課題一覧
課題を一覧で表示して絞り込み表示や細かい条件での検索ができる。
通常の操作時は後述のガントチャートで課題を表示させる事が多いように思う。
こちらのページではより細かい条件で課題を検索したり複数の課題を一括更新する際に使用する事が多い。
シンプルな検索
デフォルトではシンプルな検索が表示されている。
状態 |
の条件で絞り込みができる。 |
親子課題 | 前述のプロジェクトの設定にて”親子課題を使用する”にチェックを入れた時に設定可能になる。
で絞り込みができる。 |
カテゴリー | 後述のプロジェクト設定で設定するカテゴリーをプルダウンから選択して検索する。 |
マイルストーン | 後述のプロジェクト設定で設定するマイルストーンをプルダウンから選択して検索する。 |
担当者 | 担当者をプルダウンから選択して検索する。 |
キーワード | キーワードで検索する。 |
高度な検索
「高度な検索」を選択すると詳細な検索条件(基本と日付タブ)が表示される。
基本タブ
以下の項目で検索ができる。
- 状態
- カテゴリー
- 発生したバージョン
- マイルストーン
- 種別
- 優先度
- 担当者
- 登録者
- 完了理由
- その他(添付ファイル有、共有ファイル有、親課題、子課題以外)
日付タブ
以下の日付で検索ができる。
- 登録日(期間指定)
- 更新日(期間指定)
- 開始日(期間指定)
- 期限日(期間指定)
- キーワード
まとめて操作
検索条件で絞り込んだ課題に対して一括操作ができる。
一覧から変更したい課題を選択して「選択中の課題を編集」ボタンをクリックする。
以下の項目を一括で編集できる。
- 状態
- 完了理由
- 期限日
- マイルストーン
- 担当者
- コメント
項目を入力したら「登録」ボタンで更新する。
表示設定
検索結果の表示項目を設定することが出来る。
ボード
課題をボード形式で状態別に表示するページ。
正直、このページはあまり使用しておらずガントチャートで見ることが多い。
ガントチャート
課題をガントチャート形式で表示するページ。
表示の範囲は1~6ヶ月、Excel出力する事もできる。
表示開始日 | ガントチャートの表示開始日をカレンダーから選択する |
表示範囲 | 表示範囲を、
から選択する。 |
グルーピング | ガントチャートの表示を下記の項目でグルーピングする。
毎回課題を追加する際にカテゴリーをきちんと設定すればカテゴリー単位のグルーピング表示が使いやすい。 |
状態 | 状態別の課題の表示を設定する。
|
1週間前、後へ | 表示範囲を1週間単位で前後にスライドする。 |
excel出力 | ガントチャートをExcel出力する。 |
Wiki
Wikiを表示する。
また上部のメニューからオリジナルのWikiを追加することもできる。
ファイル
ファイルを一覧で表示するページ。
プロジェクト設定
プロジェクトに関する設定を行う。
尚、ユーザ権限が一般とプロジェクト管理者では設定可能な項目が異なる。
種別
課題の登録時に設定する種別を追加、更新する。
種別毎に異なる色を設定可能なのでガントチャート上で色で種別を判別できる。
デフォルトでは、
- タスク
- バグ
- 要望
- その他
とIT系のプロジェクト向けの種別が登録されているが、進行しているプロジェクトに応じて種別を変更する。
カテゴリー
課題の登録時に設定するカテゴリーを追加、更新する。
ガントチャートでカテゴリー毎に分類表示する事ができる。
発生バージョン/マイルストーン
課題の登録時に設定する発生したバージョン/マイルストーンを追加、更新する。
マイルストーンはガントチャート上に旗印で表示される。
個人設定
右上の自分のアイコンから「個人設定」を選択すると個人毎の設定が可能になる。
個人設定には以下のメニューがある、
- ユーザ情報:ID、ハンドルネーム、メールアドレス、アイコン、権限、表示設定、カラーモード等の設定
- パスワード:パスワードの設定
- 言語とタイムゾーン:言語とタイムゾーンの設定
- メール:課題登録・更新時に受信するメールの設定(後述)
- プライベートアドレス:自分の課題を他のカレンダーソフトに連携して表示する時の設定
- SSH公開鍵:Git リポジトリに SSH にてアクセスするための公開鍵の登録
- ヌーラボアカウント:ヌーラボアカウントと連携する時の設定。ヌーラボの全てのサービスに1つのアカウントでアクセスができる
- アプリ連携:アカウントと連携している外部アプリケーションの一覧
- API:Backlogの操作をAPIから行うことができる
メール
Backlogの課題を更新した際に届くメールに関する設定を行う。
Backlogのダッシュボードを毎日必ず開く運用、習慣を義務付ける事が出来れば良いのだが、それは中々ハードルが高く現実的ではない。
なので他の人が課題を更新した際に自分宛てにメールが届くように設定を行いメールのリンクからBacklogにアクセスして課題の進捗状況を把握するのが現実的な運用だと思う。
メールを受信する | メールを受信するかどうかのチェックボックス |
マイレポートを受信する | 週に一度のマイレポートメールを受信する |
HTMLメールを受信する | HTML形式のメールを受信する |
Backlogの更新情報やプロモーションなどを受信する | プロモーションメールの受信の設定 |
送信メールのエンコーディング |
のどちらかを選択する。 |
プロジェクトに関するメール
プロジェクトに関するメールは最初に設定しておいた方が良いと思う。
そうしないと他の人が課題を登録する度にメールが来てしまい、直ぐに大量のメールで一杯になってしまい結局見ないことになってしまうからだ。
設定方法は、
- 基本設定
- プロジェクト毎の設定
があり、2.のプロジェクト毎の設定がされているプロジェクトはそちらが適用される。
2.が設定されていないプロジェクトに関しては1.の基本設定が適用される。
追加・更新時 | 課題の追加・更新時に受信する。 こちらをチェックしていると新規のプロジェクトの際には最初に一気に大量に課題を追加する事が多いので大量のメールが来てしまう。 下記の自分が担当、登録チェックボックスで制御すると良い。 |
コメント追加時 | コメントの追加時に受信する。 |
全ての課題を受信 | 全ての課題を受信する。 |
自分が担当 | 自分が担当者の課題のみを受信する。 |
自分が登録 | 自分が登録した課題のみを受信する。 自分が登録=自分が担当者では無いので注意。 |
追加・更新時 | Wikiが追加・更新された時に受信する。 |
自分宛てのお知らせは必ず受信 | 自分宛てのお知らせを受信する。 |
プロジェクトレポートを受信 | プロジェクトレポートを受信する。 |
バージョン管理に関するメールを受信 | Subversion/Gitのバージョン管理に関するメールを受信する。 |
終わりに
以前に同じ様なプロジェクト管理ソフトウェアのredmineを使用した事がある。
その時はIT関連のプロジェクトだったのでユーザーもIT関係者が多く、redmine はクールで使いやすく有効に機能したと感じた。
しかしITに不慣れな人(現場の作業者や間接部門の人)が混ざったプロジェクトではこのBacklogの方が使いやすい様に感じる。
プロジェクトを管理する側からすると各人がきちんと状況を入力してくれる事が大切なのでどの様な部署の人でも入力しやすいインターフェースである事は重要だ。
その点ではそれ程難しい項目の無い Backlogはプロジェクト管理者も入力の催促をしやすく優れていると思う。
ただ、プロジェクト管理者がこまめに入力を促す、習慣付けさせる努力はどのツールを使っても必須だと思う。
当然だがBacklogを使うだけで皆が急に積極的に入力をしてくれる訳では無い。
また以前にMicrosoft Projectも使った事がある。
プロのプロジェクト管理者が使用するには非常に有効なツールであると感じた一方でプロジェクト管理者に求められるスキルも高いように感じた。
プロジェクト管理者のスキル、プロジェクトの参加者の属性、プロジェクトの内容により選択するベストなツールは変わってくるのだが、Backlogはほとんどプロジェクトで使えると感じている。
下記のバナーから30日間の無料トライアルを試すことが出来るので確認してみて欲しい。
以上で今回の記事は終了とする。
この記事が何処かで誰かの役に立つことを願っている。
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