AWSでリージョンを選択してサーバの設置領域(場所)を決める ~Amazon EC2の立ち上げ~
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Amazon EC2
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)はスケーラブル(サイズや性能変更が柔軟に可能)なサーバーをクラウドで借りることができる Amazon のサービスだ。
インスタンスと呼ばれるサービスを立ち上げる事でクラウド上に自分のサーバーを立ち上げることができる。
インスタンスタイプを変更する事でCPUやメモリサイズを柔軟に変更したりディスクを割り当てて容量不足を解消したりと、ほとんどの操作がサーバーを稼働させたままで変更する事ができるのも特徴的だ。
OS も Windows、各種Linux と様々な選択が可能だ。
何故 EC2 なのか
そもそも何故AWS EC2?かというと、理由は「ブログを書いてみたかったから」になる。
しかし「ブログを書くだけならアメブロでも良いのでは?」とも思ったのだが、サーバーを立てる所から自前でやってみたかったので、出来るかどうか分からなかったけど AWS でサーバーを借りるところから始めてみた。
このブログは AWS EC2 に OS は Ubuntu(Linux)、CMS に WordPress をインストールして書いている。
AWS EC2 の設定から WordPress のインストール、各種設定、プラグインのインストール&設定までを備忘録として記事に残しておくので同じ様な事をやりたい人の参考になれば幸いだ。
初回は AWS EC2 のサービスを立ち上げるに辺り、リージョンの選択を行った時の記事となる。
リージョンとは
リージョンとは日本語で領域・地域を表していてAWS は世界各地に複数のリージョンを持っている。
リージョンを選択する事でサーバーの設置地域を選択することになる。
2018年1月時点で以下のリージョンが存在する。
- 米国東部(バージニア北部)
- 米国東部(オハイオ)
- 米国西部(北カルフォルニア)
- 米国西部(オレゴン)
- カナダ(中部)
- EU(アイルランド)
- EU(フランクフルト)
- EU(ロンドン)
- アジアパシフィック(シンガポール)
- アジアパシフィック(シドニー)
- アジアパシフィック(ソウル)
- アジアパシフィック(東京)
- アジアパシフィック(ムンバイ)
- 南米(サンパウロ)
尚、2021年7月時点で以下のリージョンが追加されていた。
- アフリカ(ケープタウン)
- アジアパシフィック(香港)
- アジアパシフィック(大阪)
- ヨーロッパ(ミラノ)
- EU(パリ)
- EU(ストックホルム)
- 中東(バーレーン)
アベイラビリティゾーンとは
リージョンの中は複数のアベイラビリティゾーンに分かれている。
アベイラビリティゾーンは物理的に離れており電源も別々なのでデータセンターに相当するものと理解した。
ちなみに東京リージョンには現在(2021年7月)は以下の3つのアベイラビリティゾーンが存在する。
- ap-northeast-1a
- ap-northeast-1c
- ap-northeast-1d
複数のサーバーを立ててる際にアベイラビリティゾーンを分けて障害対策を講ずる事もできるが、今回は自分専用のブログサーバーなのでアベイラビリティゾーンは特に意識をしていない。
サービスの選択
まずは AWS のコンソールにログインする為のアカウントを作成する。
アカウントを作成したらコンソールにログインをしてサービス一覧から EC2 を選択する。
リージョンの選択
右上のメニューからリージョン(サーバーの設置地域)を選択する。
リージョンはアジアパシフィック(東京)リージョンでは無く「米国東部(バージニア北部)」を選択した。
回線速度などを考慮すると本来なら東京リージョンが良いのだろうけど敢えて米国東部(バージニア北部)にしてみた。
理由は海外にあるサーバーを借りれるのが単純に面白そうだったから、と値段が安かったこともをある。
それにリージョンは後から変えられるみたいなので、そのうちリージョンの変更も試してみるつもりでまずは米国東部(バージニア北部)にしてみた。
その後、5000 PVを超えた辺りからページの表示速度が気になり出したので東京リージョンに変更している。
しかし 数千PV/月 以下であれば海外のリージョンであっても十分に使えることが分かった。
料金体系について
AWS はリージョンによって同じサービスでも料金表が違うので料金体系について触れておくことにする。
まずEC2を使用するに辺り、主な料金体系は主に以下の3種類がある。
- オンデマンドインスタンス:長期契約せずに時間単位(秒単位で最低60秒)でサービスを利用する場合
- スポットインスタンス:AWSの余剰リソースを入札制度で購入して安値に使用するオプションの一つ。オンデマンドと比較して割引率が高い一方、AWS 側のキャパシティ次第でインスタンスが起動出来ない事もある
- リザーブドインスタンス:料金の前払いを行い長期契約で割引(最大 72%)されるサービス
まずはブログを継続して書き続けるか分からなかったのでオンデマンドインスタンスで利用することにする。
その後、ブログを継続することにしたので料金体系はリザーブドインスタンスに変更している。
その時の「AWS(Amazon Web Services)リザーブドインスタンスでコスト削減」の記事はこちら
料金について
オンデマンドインスタンスでの米国東部(バージニア北部)とアジアパシフィック(東京)リージョンとで EC2 の料金を比較してみた。
尚、その他の条件は以下の通り。
- OS:Linux
- インスタンスタイプ:汎用
- CPU:1
最新の料金表についてはこちらを参照して欲しい。
インスタンスタイプが t2.micro(1 CPU、メモリ1GB)で東京リージョンだと 0.0152 ドル/時間でバージニア北部リージョンが 0.0116 ドル/時間となっている。
東京リージョンの方が約30%程、高い計算だ。
バージニア北部の料金が1時間 0.0116 ドルなので1日 0.2784 ドル、一ヶ月で約 8.352 ドル(東京リージョンだと 10.944 ドル)になる見込み。
これに EBS(Elastic Block Store、ディスク)とデータ転送料が別途掛かるのだが、EBS は最初はインスタンスに付属のディスク容量で足りたので追加購入していない。
データ転送料は最初はほとんどアクセスが無いので大体1,000円弱で自サーバーが持てる計算だ。
尚、EC2 の料金は無料利用枠(最初の1年目限定)を使用したので初年度は掛かっていない。
世の中には無料のレンタルサーバーとかもあるが自前のサーバーがこの値段で借りることができるのであれば満足だ。
データ転送料とEBS料金について
2021年7月時点でのおよその料金を記載しておく。
月に約5万PVのブログサイトでデータ転送料が約5.2 ドル、EBSは32GB を使用していて 3.84 ドル/月の請求となっていた。
PV とデータ転送料との関係はサイトの種類(テキストが多いのか画像中心なのか)によっても異なるのであくまで参考程度にして欲しい。
データ転送料の料金体系についてはこちらのデータ転送の章、EBSの料金体系についてはこちらを参照して欲しい。
バージニア州の場所
ちなみにバージニア州はこの辺(下記地図を参照)にある。
日本に居ながらクリック数回で海外にあるサーバーを借りる事が出来るのは凄い事だと思う。
リージョンを選択したら次は OS の選択、インスタンスタイプの選択と続く。
次回の記事「AWSでOS、インスタンスタイプの選択、ディスク容量、セキュリティグループの設定まで」に続く
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